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「もぅ、お母さん! あと2時間は待ってよね!」
俺に抱きつきながら母さんに文句を言う姉ちゃん。
てか、離れてくれ!
あと2時間って何だぁ!
「それは悪いな! じゃあ、ごゆっくり!」
何かを察したのか、母さんは静かにドアを閉めて部屋を去っていく。気をつかわなくていいから、母さんカムバッーーク!
「ふふふ、これでヤル時間が出来た訳ね。」
母さんが部屋を出ていくのを確認すると、不気味な笑みを浮かべ歩みよる姉ちゃん。
だが、両手をワキワキさせるのは止めていただきたい…
「待て、冷静に話し合おう!」
慌てて姉ちゃんの行動を止めるよう説得にかかる。
このままでは殺られる! いや、ヤられる…
「ダ~~メ! では、始めましょう。」
「始めるって……ちょっと待て…止めろ! ぎゃぁーーす!」
それから制服に着替え無事に家を出て学校に向かうが…
「姉ちゃん離れてよ…」
「イヤだよ、行人の体温感じてたいもん!」
姉ちゃんに離れてと頼むが姉ちゃんは言う事を聞いてくれるどころか、さらに強く腕に抱きつく。
今、学校に向かっているが、姉ちゃんは俺と腕を組んでいて一向に離れようとはしない。
あの後、なんとか姉ちゃんを説得した。
しかし、登校中は腕を組んで歩かないとダメと言われたのでしかたなくしているが…
「周りの視線が…ね…」
道行く人を見れば、ラブラブ登校してんじゃねぇよと言わんばかりの目で見られる。
それも男ばっかり…
「イイじゃん! 周りに見せつければ…」
姉ちゃんはそう言ってさらに腕に抱きついた。ブレザーを着ていてもしっかりと姉ちゃんの胸の感触は感じられる。
「見せつけても仲の良い姉弟にしか見えないよ?」
「イイもん…姉弟の壁越えるもん!」
姉ちゃんに冷たく反応するとプイッと姉ちゃんは顔を反らす。
姉弟の壁を越えるって…
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