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「ほら、もうすぐ学校に着くよ!」
しばらくその状態で歩くと俺たちが通う秋之宮高校に続く生徒通用門の前にきた。
そこで姉ちゃんに離れるよう促す。
「ヤダァ~~離れたくない!」
すると、ダダをこね離れようとしない姉ちゃん。
あなたホントに総長か?
「仕方ないだろ、1才歳が違うんだから…」
「ヤダヤダヤダヤダァーーーー!」
諦めるよう促しながら姉ちゃんを引き剥がしにかかるが、姉ちゃんは首に手をかけ足で腰にガッチリと組みまるでコアラのように抱きついた。
そして、首を左右に振りそれを拒む。
傍から見たら子供だよ…子供…
「ワガママ言わないの!」
姉ちゃんにワガママを言う子供を叱り付けるよう言った。
もうイヤ! こんな生活…
「おはよう行人君!」
姉ちゃんのだだっ子モードに嘆いていると、女性の声がした。
後ろを振り向いたら姉ちゃんに引けをとらないピンクの髪の美人が手を振りながら歩いてきた。
「あ、奈々さん! コレなんとかして下さい…」
奈々さんに気づいた俺は抱きついている姉ちゃんに指さして助けを求めた。
「また…なのね? わかったわ…」
奈々さんは俺たちを見て察したのか、呆れながら姉ちゃんに近づきゴニョゴニョと耳打ちをした。
「何!? それは本当か…奈々!」
奈々さんが耳打ちした途端、真剣な表情を見せる姉ちゃん。
でも、俺に抱きついたまま…
「早く行かないと危ないわよ。」
奈々さんはさらに緊迫した状況だと付け足す。しかし、姉ちゃんを俺から離すには効果的だ。
「よし! 待ってろゴミども!」
そう言うと姉ちゃんは俺からパッと離れ、猛スピードで校内へと走り去って行った。
奈々さん、姉ちゃんに何て言ったんだ…
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