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「おいっす! 元気だったか行人?」
掲示板のクラス表を見ていると、赤髪のツンツン頭のイケメンが軽々しく声をかけてきた。
「変態の国へ帰れ!」
「ヒドいよ~。俺と行人の仲じゃないか!」
冷たくあしらったにもかかわらず、半べそかきながらしがみ付いている変態は、岡田 裕。
顔はイケてるが、年がら年中女子を追いかけまわすエロの化身!
「ええい、触るな! 汚らわしい!」
抱きついている岡田を引き剥がす。
ちっ…ブレザーに涙が付いちまった
「グスン…」
「泣くな! 男だろ!」
引き剥がした岡田を見ると目から涙を溢しマジ泣きしていた。
仕方がないので、男らしいセリフで罵る。
「ア゛、ア゛ニ゛キ゛!」
「アニキ言うな!」
またしがみつく変態を引き剥がした。
今度は鼻水が付きそうじゃねぇか…
「まぁ、とりあえず教室に行こうではないか!」
泣き止んだ岡田は意気揚々と校舎へと歩く。
それを見て俺は岡田の後ろを歩き一緒に教室に向かった。
「2―Bの担任の村瀬だ。一年間よろしく!」
黒板の前に立ち挨拶する担任。
村瀬健一と黒板に書いた男は俺が一年生の頃、数学でお世話になった先生で今年から俺達の担任となる。
体育会系のイケメンだが…
「ちなみに龍ケ崎の姉を狙ってるから、よろしく義弟よ!」
俺にニカッとスマイルを見せた。
村瀬はウチの姉ちゃんを狙っている…
しかし、まったく相手にされないけどな!
「村瀬のヤロウ! アネゴは渡さん!」
苦虫をかじるように言う変態。
岡田は何故か姉ちゃんのことをアネゴと呼ぶ。理由は姉ちゃんと岡田しか知らない。
何か、腹立つ…
「最初は自己紹介をしてもらうからな! 前に出て、名前とあとは適当に…」
村瀬は教壇に立ちながらこれからの事を説明する。
一通り説明した後、一番最初の子から自己紹介は進んでいった。
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