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「出席番号12番、龍ケ崎 行人。名前の通り龍ケ崎 紅の弟です。よろしくお願いします!」
自分の番になり、席を立ち黒板の前で自己紹介し、ペコリとお辞儀をする。
「「「キャーーー!」」」
お辞儀をした瞬間、女子の悲鳴がした。一瞬ビクンとしたが、すぐに頭を上げる。女の子を見ると、頬を染めているのがわかった。
なんかやってしまったか…
「行人~! こっち向いて~!」
聞き覚えがある声が聞こえた。
声のする方を見ると姉ちゃんがビデオカメラを持って教室の後ろに立っていた。
「姉ちゃん、何で教室に!?」
「何でって、行人の勇姿を記録する為に決まってるじゃない!」
姉ちゃんに驚きながら尋ねると、姉ちゃんはエッヘンと胸を張りながら話した。
そんなことしたら、胸が強調して他の男子が暴走する…
てか、そんな事するなぁー!
「うひょ~! 龍ケ崎さんだ!」
「いつ見てもお美しい!」
「アネゴー! やっぱ、サイコーです。」
「我が愛しのマイハニー!」
次々と男たちから歓声が飛ぶ。
てか、最後のは絶対に村瀬だ…
「姉ちゃん、教室抜け出して大丈夫なのか?」
「大丈夫よ! 代役立ててきたから。」
呆れながらも姉ちゃんに聞くと、グッと親指を立てて話す姉ちゃんは言った。
代役って、いったい誰を立てたんだ…
「コラァ、龍ケ崎! 早く教室に戻れ!」
バタンと扉を叩きつける音と共に姉ちゃんの担任らしき人が入ってきた。
姉ちゃん代役立てたのバレてるし…
「イヤァァーー! 行人、助けてー!」
担任に首根っこを捕まれ引きづられながら連行される姉ちゃん。
姉ちゃんは俺に助けを求めるが、俺的には連れて行ってもらった方が良いので助けない。
「姉ちゃん、放課後迎えに行くから。」
「ホント? 待ってる、待ってるから!」
手を振りながら姉ちゃんに言うと、姉ちゃんは恋人と引き離されたヒロインのようなセリフを言って教室を去って行った。
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