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グレイ
「姑が泣いて喜びますか」
ヘイン
「全くな」
グレイ
「しかし、隊長ともあろうお方が街中の噂を鵜呑みにするとは……
私には、この軍に悪が存在するというのは、正直未だに信じていません」
ヘイン
「確かに杞憂かもな。
でも、信じる事と見て見ぬふりをするのは違うぜ。
それにお前も感じてるだろ?この国の不満」
グレイ
「それは……
確かに、今の国は民の事にあまり関心を向けず、己の繁栄ばかりを気に掛けている気がします」
ヘイン
「あぁ。
正直、俺はこの国の在り方を変えたい。
たがら、お前の力も必要なんだ、グレイ」
グレイ
「承知しています。
私は人々の力となるべく上に上がったというのに、まだ何もしてあげられている気がしません。
実力国家、とは……ハドナもとんだ皮肉を付けられたものです」
ヘイン
「……じゃあ、俺はその民の声を聞く為に、ちょっと外出てくっかな。
いつまでもここに居てっと、体が古臭くなる」
グレイ
「散歩ですか?
また副官に怒られますよ」
ヘイン
「いいよ、優秀だからな。
それより、今日は面白い奴が捕まったらしいぜ。
後でお前も行ってみろよ。
気晴らしになるんじゃねぇか?」
《ヘイン、退室》
グレイ
「面白い奴、ですか……」
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