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再び目を開けた視界には、天井が一面に広がっていた…
どうやら夢から覚めたらしい…
やや寝起きというのもあるのか少し意識がおぼつかない、がこれだけは言える…
「懐かしい、夢だったな…」
あれはずっと前…
自分が家の外に出る事が決まった時だ…
そしてこの忍術学園に預けられて…
それからは特に何もなく五年間、平和に過ごしている…
「もう、五年も経つのか…」
結構経つんだなぁと、そうのんびり考えるあたり…まだ完全に起床したわけではないらしい。
その証拠に目は覚めたものの、布団から起き上がろうとしない…
「もうすぐ休みだったな…」
そろそろ帰省の文でも出した方がいいのかもしれない…
のだが…
「今回も、顔出しに行けるかなぁ?」
ここ最近、学園長や担任に仕事の依頼などをよく持ち掛けられるため、実家に戻る時間がなくなっている…
「…怒られるかな。」
考えていると、ふと床伝いに聞こえてくる足音…
あぁ、来る時間か。
「急いだ方がいいな。」
そう思い、先に制服である忍装束に着替え身支度を整えた。
それから布団を仕舞い襖を閉めたのと、自分の部屋の障子が開いたのは同時だった…
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