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俺は会社を辞めて小さな雑貨屋を始めた。
雑貨屋と言っても趣味で集めていた、おもちゃなどを売る店だった。
三年後、俺とマリアの間に美紀が生まれた。
そして美紀が六歳の時、マリアに脳腫瘍が見つかり入院した。
俺と美紀は毎日、病院へ通った。
「貴方、美紀の事、頼むわよ…」
「バカ、なにを言いだすんだ!…お前は治る、信じろ!」
「ママ…何時、お家に帰って来るの…」
「もうすぐ帰るわよ、美紀…」
マリアは薄れてく記憶の中、美紀と話しをしていた。
「美紀、お父さんの言う事聞くのよ…」
「うん!」
マリアの瞳からは涙が溢れた。
この涙は悔し涙だったのだろう。
それから三日後だった。
マリアが天国に旅立ったのわ。
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