旅立ち。

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2009年4月、美紀は中学生になった。  「お父さん、今日、ビデオ見る日よね。」 「あァ…そうだったな。」 マリアは美紀が中学生になったら見る様にビデオを残していた。  美紀がビデオデッキにカセットを入れた。  7年ぶりにテレビに映ったマリアの顔はとても優しい顔をしていた。  「美紀、中学校入学おめでとう!…」 7年ぶりに聞くマリアの声は懐かしかった。  「美紀、そばに居れなくてごめんね…貴方、美紀と二人で話しがしたいの。」 俺は部屋から出て行った。  マリアと美紀が何を話したのかはわからないが、この日から美紀は変わった。  あれほど欲しがっていたブランドのスニーカーや服を欲しいとは言わなくなった。  きっと二人は、あの夏の話しをしていたのだろう。      終わり
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