31人が本棚に入れています
本棚に追加
2009年4月、美紀は中学生になった。
「お父さん、今日、ビデオ見る日よね。」
「あァ…そうだったな。」
マリアは美紀が中学生になったら見る様にビデオを残していた。
美紀がビデオデッキにカセットを入れた。
7年ぶりにテレビに映ったマリアの顔はとても優しい顔をしていた。
「美紀、中学校入学おめでとう!…」
7年ぶりに聞くマリアの声は懐かしかった。
「美紀、そばに居れなくてごめんね…貴方、美紀と二人で話しがしたいの。」
俺は部屋から出て行った。
マリアと美紀が何を話したのかはわからないが、この日から美紀は変わった。
あれほど欲しがっていたブランドのスニーカーや服を欲しいとは言わなくなった。
きっと二人は、あの夏の話しをしていたのだろう。
終わり
最初のコメントを投稿しよう!