恋人、弟の死。

3/3
前へ
/11ページ
次へ
「6年前の雨の日ですか!それ…明美です…俺の婚約者の…トラックてタンクローリーですよね…」 「そうよ!!…」 その時、マリアは動かない人形の用に固まった。 「その日、結婚式だったんです…あいつ、朝一度、式場に来たのに…俺に貰った指輪、忘れたって家に取りに戻ったんです…その帰り事故に巻き込まれてしまい…」 「ごめんなさい…私のせいね…」 マリアの瞳から涙がこぼれた。   「いいんです、俺が悪いんです…あのティファニーの指輪、偽物だったんです…八千円で買った…俺が見栄はったから…」  「別に婚約指輪なんか取りに戻らなくてもよかたったのに…結婚指輪があれば…」 「俺があの時、あんな偽物の指輪、取りに戻るなて言えたら…あいつ死なずにすんだんです…あいつティファニーの指輪、大切にしていたから言えなかったんです…」 翌日、俺は会社に退職願いを出した。  会社を辞めたら不思議な事に俺の病気も良くなって行った。 いや、マリアに俺の過去を聞いてもらったからかもしれない。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加