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「6年前の雨の日ですか!それ…明美です…俺の婚約者の…トラックてタンクローリーですよね…」
「そうよ!!…」
その時、マリアは動かない人形の用に固まった。
「その日、結婚式だったんです…あいつ、朝一度、式場に来たのに…俺に貰った指輪、忘れたって家に取りに戻ったんです…その帰り事故に巻き込まれてしまい…」
「ごめんなさい…私のせいね…」
マリアの瞳から涙がこぼれた。
「いいんです、俺が悪いんです…あのティファニーの指輪、偽物だったんです…八千円で買った…俺が見栄はったから…」
「別に婚約指輪なんか取りに戻らなくてもよかたったのに…結婚指輪があれば…」
「俺があの時、あんな偽物の指輪、取りに戻るなて言えたら…あいつ死なずにすんだんです…あいつティファニーの指輪、大切にしていたから言えなかったんです…」
翌日、俺は会社に退職願いを出した。
会社を辞めたら不思議な事に俺の病気も良くなって行った。
いや、マリアに俺の過去を聞いてもらったからかもしれない。
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