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「なあ、俺さあ、ワークでもドリルでもわからん問題があったらすぐに答え見ちゃうんだよな」
「は?」
「教えてよ。なんで俺は金森に嫌われてんの?」
短気は損気と、よく言ったものだ。
今まで何回か我慢したのに、ついに言ってしまった。
口を開いたら、勝手に言葉が転げ落ちたかんじで、言われた金森もびっくりしていたが言った俺も驚いた。
「や、ごめ、なんでもない!」
忘れてくれ! と頭を抱えるのと、金森が叫ぶのとはほぼ同時だった。
「えーーっ!?」
「は?」
顔をあげると、なおも金森は続けた。
「嫌ってるのは健ちゃ……戸ノ上くんのほうでしょ?!」
「えっ、なんで!?」
顔を真っ赤にして、拳をぎゅっと握りしめて睨みつける。
「殿だなんてあだ名、当てつけみたいに……! 私ちゃんと謝ったのに!」
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