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ふしぎ雑貨屋のマスターは、ボクのことを「紡ぎ手」って呼ぶ。
僕には前足と後ろ足しかないのに、紡ぎ手、だなんて変だよね~。
マスターは、雑貨の仕入れの時にうっかり箱を落としちゃって、なんでかよくわからないけど、この前ネズミになったばかり。
ボクを見ると、ちょこちょこってすぐに逃げちゃうから追いかけたくなっちゃうんだ。
あ、いけない。ボクってすぐに話が脱線しちゃうの。
よくない癖だ、ってマスターに言われたばっかりだったのを忘れてた。
ええと、それから、ボクの見届けた話はどういう仕掛けなのかいつの間にか本になってマスターの大きな机に届くんだ。
本棚がいっぱいなせいで、机に積み上げられた本の山はいつ崩れるのか見ててハラハラしちゃうよ!
あんなのが倒れてきたらネズミになっちゃったマスターはペッチャンコになっちゃうよね。
お代が商品分足りなかったらどうするのかって?
そうそう、ボクも不思議に思ったから聞いてみたんだ。
そしたら「おもしろそうな人以外には渡してないから大丈夫」だって。
マスターもやっぱり変な人なんだ。
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