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雲一つない月明かりの輝く夜、ここは周りを森と湖に囲まれた紅魔館と呼ばれる紅い屋敷。
そのテラスでは屋敷の主であるレミリア・スカーレットが静かに月を眺めていた。
まだ幼さが見受けられる容姿をしているがこれでも500年程の時を過ごしてきた悪魔であり、人々にスカーレットデビルと恐れられた吸血鬼である。
「やっと―――ね」
レミリアは月に向かって何かを呟いたがその声は風の音に掻き消される程微かなもので、聞き取ることはできなかった。
「レミィ、満月は明日のはずだったけど」
そこへ後ろから問い掛けてくる一人の少女がいた。
彼女は地下にある大図書館の管理者をしている魔法使いで、レミリアが持つ数少ない友人のパチュリー・ノーレッジである。
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