第一章(疎遠)

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家に帰るのがその日は嫌だった。     俺は近所のデパートに行き、みんなが話題にしてるゲームとやらを見にいった。   これのどこが面白いんだ…。   俺はとりあえずパクってみることにした。   これでみんなに近付けるなら…。   一番手軽そうなのを狙った。   店員の死角を探し、そこでカバンに詰め込んだ。 (こんな高価なものをパクるのは初めてだ…大丈夫かな?)     俺は何食わぬ顔でデパートを出ようとした。     「待て!!」   肩を掴まれた。   「さぁ、カバンの中身を見せてくれ。」   私服を着たオジサンが俺に語りかけた。 「万引きするとこ全て見てたんだからな。」   (このオヤジ、なんの義理があって俺を見てたんだ…。)   その時は私服警官なんてしらなかった。
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