第一章(疎遠)

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それが何を示すかなんて、最初はわからなかった。     祖母はよくオレに物語を聞かせてくれた。   いろんな英雄達の話を聞いて憧れていた。     物心つくと、俺は近所の同年代と遊ぶことが日常だった。 毎日、毎日英雄を演じていた。 「シュン!お前ばっかり英雄役でズルいぞ!!」   「俊哉、じゃあお前英雄になれるか? 俺は生まれながらの英雄なんだよ!」   その頃の俺は自分を特別視していたのかもしれない。 近所で仲良かった俊哉はよく、それに近いことを言っていた。
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