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何か周りからものすごい視線を感じる…。
勿論それは私に向けられた物ではなくて…
「あの子名前…えっと…井塚だって!可愛くね?」
「あの子かっこいー…っ!」
「いーなあ、あそこの女の子…」
何か早速妬まれそうですが……
「あれっ?梢ちん注目されてないっ?」
「それ思ったーっ、朝比奈モテるんじゃねえの?」
「……オイオイ…、正気っすか…?」
ありえない…この美男美女……
まさかの 無 自 覚!!!!!
何かもう…ほんと……うん、凄いな…
とか何とか思ってた、その時。
―――ガラガラッッ!!!!!
「キャー―ッッ!!かっこいーっ!」
「瀬尾君だー――っっ!!!!」
いきなり教室に入ってきたその子は、
一度キョロキョロして私達の方へ向かってきた。
「「「……え゙っ!?」」」
ちょっ………ちょちょ、ちょい待ちっ!!
この子…さっきの………
物凄く焦っていると、その男の子は私の目の前で止まった。
なっ………恐いっっ!!!!!
無表情だっ……
「なっ……ナンデスカ……っ?」
上手く喋れなくて片言になってしまった。
どっ、どどどど
どうしよ………っっ!!!!!
「―――ビビらせちまった?」
「え?」
急に悲しそうな目になる【瀬尾君】。
「……いえいえ~っ、だっ、大丈夫で…すよ……?」
棒読みだし…。
絶対ビビりまくってたのばれたよ~っ…
って…あれ?
大丈夫って言ったその瞬間、
目の前には満面の笑みが私を見ていた。
「良かった!俺、瀬尾鬼夜ってんだ!よろしく★」
教室中がシンとする中、瀬尾君は私のすぐ目の前に右手を差し出してきた。
「………よっ、よろしく///」
ぎゅっ……――――――――――
瀬尾君の手はとても温かくて、
でもそれ以上に私の胸がポカポカと
温かくなっていってて…………。
嬉しそうに「へへっ♪」って笑う君を見ると
そのポカポカはどんどん熱くなっていった
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