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石井さん(29)
ケンジが初めて社会に出たその会社で勤めていた青年。縦横の体の大きさもさることながら人間の大きさもケンジを驚かせた。手羽先が大好物でそれを手に、夜の海で黄昏るケンジに価値観の意味を教えた。ちなみにケンジはそれからコーラを良く飲むようになっている。
宮原さん(38)
石井さんに紹介されて入社した会社は壮絶なスパルタ教育をする。そこの工務課長である。涼しげな目は感情を感じさせず、その罵声はケンジをいつも打ち付けた。彼としては新入社員を試していたのかもしれない。行き過ぎと思ったケンジは最後の最後でちゃちな文句を吐く。
青居さん(54)
白髪でいかつい顔のケンジの大先輩。ケンジを我が子のように見守り、叱り付け、成長を促す。社会の構造、仕事の在り方などをケンジに説く。多くを語らない性格で気難しいが、笑う時は笑う元気な初老の男である。
西野さん(32)
脱サラして小さな電気屋を始め、ケンジを誘う。真面目で律儀な主義。ただ不器用であるため、創業時の相方と和解出来ず、ついにはケンジも離れていってしまった。几帳面な性格で会社を辞めたケンジに何度か身の上を心配する電話をかけている。
マスター(47)
大衆向け居酒屋の店長。商売人らしい卓越した話術と気さくな性格、そして研究された味で店は今日も繁盛している。ケンジには売るだけの商売でなく、もてなす商売の在り方を教えた。
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