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――――――。
「ちょっと待て、なんでお前まで来ようとしている?」
「汐ちゃんがいるところに風子あり、と言うじゃないですかッ」
「言うか!!」
オッサンの宣言から三日たった夜、自宅のアパートには夕飯を食す、俺と小さいのが二人。
一人は俺の娘、汐だ。もう一人は、伊吹風子。ちょくちょく家に遊びに来ては、人ん家の米を平らげていく、ちょっと迷惑な友人だ。
彼女は、彼女の姉の公子さんを通して早苗さんから旅行の話を聞き付けたのだろう、自分もついて行くと言ってきた。
「一応、家族旅行なんだぞ?」
「既に風子は、汐ちゃんと家族と言っても、ずばり過言ではないでしょう」
「かごんではないでしょう」
「ほら、汐ちゃんも家族だと認めています。むしろ姉妹です。近所でもあの子は汐ちゃんと仲のいい姉妹だとよく言われます!」
「お前は公子さんとの姉妹だろうが!それに、こんな歳の離れた姉妹がそうそうあってたまるかっ!!」
風子はこう見えても俺と同い歳らしいのだ、外見はもとより、中身も子どもだ。オッサン同様甚だ疑わしい。
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