俺のいとこの話

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   俺はあと少しで高校三年生になる。そして俺には、今年で中三になるいとこがいる。  運動神経は群を抜き、去年、家の前で一緒に競走をしたところ、あっさりと負けてしまった。  運動部に所属している俺は、体力には自信を持っていたのだが、この出来事は相当ショッキングで仕方がなかった。  そして、こいつは生意気なことに、自分の携帯電話を持っていた。スタイリッシュブルーのスライド式で、俺が今持っている携帯電話よりも新しい。  何もかも完全に負けている俺の立場は、なきに等しいものだった。  それでも弟のいない俺は、生意気なそいつを弟分として昔から可愛がっていた。  
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