第1章【始】

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『―どうせ、ムラサキカガミとか、口裂け女でしょ?小学生でも知ってるってば。』 ――そう、今時小学生も知っている様な話ばかり。 幽霊やら何やら、私はその類の話を信じていない。 非科学的過ぎ。 『違う違うっ!隣町の殺人事件だよ!一大事なんだから!』 真子は、緩いパーマのかかった髪を風に遊ばせながら言った。 そりゃ一大事でしょ? 殺人て…人が殺されてるんだから。 『あんたね…。人が亡くなってるんだよ?』 ――ゴキュッ 私は真子の方を見ずに、コーラを一気に飲み干した。 人の不幸は蜜の味。 と、よく言うけれど、殺人事件をそんな軽々と話すのは…良くない。
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