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ラキはしがみつくようにして本を読んでいる。
少し目が近いんじゃないだろうか…。
僕はそれを眺めているのに気付き、食器でも片付ける事にした。
キッチンと部屋を行き来して食器を運ぶ。
その何往復目かに、ラキが唐突に僕に尋ねた。
「この本、読んだ?」
ラキの視線は本からこちらへ移されている。
「いや、読んでないよ。」
僕は答えた。
二階にあるセバスチャンの部屋の壁には本棚が敷き詰められている。
僕はその数千の本の半分くらいまで読んで、本にうんざりした。
だから、この部屋の本までは読んでいない。
「そっか…」
ラキはまた本に視線を落とした。
彼女はすぐに、なんだか難しそうな顔をした。
読めない字でもあるのだろうか。
あまりにも熱心に本を読んでいるので、僕はそっとしておく事にした。
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