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少女は、まるで舞っているようだった。
彼女は回転を基礎とし、両手を高く、低く振り回す。
その手には鞘をつけたままの剣を両手に一本ずつ持っている。
地に突き立てれば彼女の肩あたりまで刀身がある長く細い剣を右手に、
同じく、左手には腰あたりまでの剣を。
そのどちらもが細い刀身をしている。
少女、ラキが体をひねった状態で右足を踏み出し、右手の鞘のついた剣が空を斬る。
さらに右足に体重を乗せ、左の剣が同じ軌道をなぞった。
舞う少女の右手の剣は片刃の剣だった。
左のそれとは明らかに違う、鍔、柄、刀身をしており、少しだけ反るような形をしている。
これは確か刀。
いや、太刀か。
武器の知識はセバスチャンに教わった。
それも武器の長所と短所、使い方まで。
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