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「そっか…そうだよね…。」
少女は悲しげに言って、立ち上がった。
彼女は自らを考古学者だと言った。
きっと遥か昔の戦争の事も知っているのだろう。
それを知っていても、
彼女は僕を殺すだろう。
それが人間だ。
「ねぇ、ハッド」
見下ろされる構図。
彼女は二本の剣に手をかけ、鞘から引き抜いた。
太刀独特の空気を殺す刃の音が森に響く。
「稽古のお相手、願えるかしら?」
言葉通りの意味じゃない。
その声の冷たさは
月光が照らす二本の刃と同じ冷たさだった。
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