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今年の正月も帰るつもりはなかったのに、無理やり呼び戻される形で実家に帰省した。別に実家と確執があるとか、そーゆーんじゃない。むしろ仲は良い方だと思う。単純に面倒なのと金が無いだけ。 でも、クリスマスから年末にかけて、休まず出勤した事もあり、店長は快く休みをくれた。むしろ、休むなって言ってほしかったよ。初詣…阿久津と行きたかったな……とか。 またまた乙女チック全開な俺。 ここ数年実家には一度も帰っていないから、まぁ仕方無いかと久々の帰省。地元の神社で買った御守りを手土産に、俺は2日ぶりに阿久津の住むマンションへ足を向けた。 ピンポーン。 インターホンを鳴らす。相変わらず合い鍵を使わない俺。反応が無い。時間は朝の8時。夜勤明けで帰ってるはずだけど……まだ帰って無いのかな? もう一度押したけど、やっぱり反応は無くて。寒いし、本人居ないならまぁいっか。俺は握り締めた合い鍵で、先に部屋へと上がらせてもらう事にした。 初めて使う合い鍵… 何かむず痒い。恋人なんだって…こんな事で実感してしまう。それが照れ臭くて、阿久津本人がいる時は使えなかったけど。だって普通、男友達に合い鍵渡さないよな? そう思うと、自然と顔がニヤけてしまい、俺は慌てて口元を引き締めた。 カチャリと鳴って、鍵が開いた。
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