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うぅ、体ダル…
とくに腕と肩が痛くて仕方がない。その場のノリと雰囲気で、縛ったままヤるなんて、俺もすっかり淫乱だな。
全部阿久津のせいだけど…!
と、阿久津に罪を着せつつ、脱がされたズボンを手繰り寄せたーーーその時、俺の思考回路が一瞬停止した。次の瞬間、自分の痴態を思い出し、全身から汗が吹き出る。
ススス、スマホ!!
部屋を見回すと、阿久津のスマホは無防備に放置されていた。気付かれないようにそっと手を伸ばし、画面を開く。撮っていいと言った覚えはある。が、冷静になってみれば、バカな事を言ったと自分に呆れた。
あんなモン残されてたまるか!
削除するなら今の内だ!
スマホの使い方なんてだいたいどれも同じだ。俺は迷う事無くデータフォルダを開いた。
「……………」
俺の痴態を移したスマホ。そのデータフォルダの中には、一枚もさっきの行為中の写真も、動画も無かった。でも、俺は安心なんてしなかった。むしろ、嫌な予感が沸々と沸いてきて。
「……あ、阿久津…」
スマホを見詰めたまま阿久津を呼んだ。俺がスマホを手にしている姿を見て、阿久津は悟ったらしい。さっきまでの変態っぷりを少しも思わせない爽やかな笑みを俺に向けた。
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