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そんな様子を後ろ目に見ながら、俺と黒人男性は全力でその場を走って逃げた。
目の前にガラス張りの部屋を見つけた。
俺は急いでその中に逃げ込み、思わず扉を閉め鍵をかけてしまった。
ガラス戸の向こうに、黒人男性の姿がある。
彼は「何故?」っと言う顔を浮かべながら、ドアノブをにぎりしめていた。
その瞬間、彼は獣の餌食となってしまっていた。
俺が扉を閉めていなければ、助かっていたのだろうか?
俺のせいで、彼は死んでしまったのだろうか?
いや、あの時はああするしかなかった。
もし扉を明けっ放しにしたり、鍵をかけていなければ、確実に彼と一緒に獣は中へと入って来たであろう。
そう、自分に言い聞かせ、ひとまず落ち着こうと、いすに腰掛けようとした瞬間、背後から物音が聞こえてきた。
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