2009/03/19

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恐る恐る、後ろを見ると、そこにはもう一つ扉があり、それは開いたままになっていた。 もちろん、そこには獣の姿もあった。 まるで、追い詰めたぞと言わんばかりに、ゆっくりとこちらに近付いて来る獣。 しばしの間睨み合いが続く。 その均衡を破ったのは獣であった。 刹那、獣は俺に襲い掛かる。 俺は座ろうとしていた椅子で、それを迎撃した。 そして、急いで獣を外に蹴り出し、扉を閉めた。 ガラスの向こうにはゾロゾロと獣達が集まり始めていた。 このままではらちが開かない。 しかし、この数に太刀打ちなど到底無理だ。 先の三人のように殺されてしまうのが関の山である。
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