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案の定、やたらと背中を強く叩いてくるクラスメートが四人いて、
そのうちの一人は悪意の塊そのものだったと思う。
そんな中でも朝霧は他人事のように窓の外を眺めているのだから、恐れ入る。
――だって貴方誰にでも優しいじゃない。
朝霧の言葉が胸に刺さったままで、午後の授業は上の空だった。
ちょこちょこと対角線の向こうに座る朝霧を見たが、彼女が黒板に視線を送る事はなく、
それどころか机の上に教科書すらだしていなかった。
「何だ? その顔は」
厚顔な先輩は勿論ミコさんで、俺の顔にケチをつけてきた。
「顔に文句を言われても困りますね」
良くて中の上、悪いと中の下といった俺の顔は、
存在感の薄い醤油顔という奴らしい。
大してモテた経験はないが告白は数度あるといった感じの、
平凡より少しだけ恵まれている感じの高校生活です。
はい。
「そうじゃなくて、考え事しているのが丸出し」
「ああ、そうですか? まあ色々とありまして」
「朝霧巴か」
一呼吸もおかずにつっこんでくる辺り、
この人は確実に知っていたのだと思う。
本当……敵が多い理由がよくわかる気がする。
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