three

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気づけば二時間以上たっていて 体も少し楽になっていた 携帯には連絡が入っていた 同僚からで [藤ヶ谷さん戻ってきたよ ありがとうな] って 戻ってきたんだ 良かった そういえば さっきの人は誰だったのだろう? 太輔だったの? それとも 全然違う人だったのだろうか? でもきっと違う人だった 私じゃない女の人といた太輔が 私の家に来たりなんて しないだろう 太輔はなんで私を呼んでおいて 他の人といたの? …もしかして私をきるため? 傷付けば もう近寄らないだろうと 思ったのかな そんなに嫌いだった? なら言ってよ 『嫌いだ』 って それだけでも私は もう近づかなかった 傷付けなければ許せないほど 嫌いだった? 「…ふふふ、あはは」 あまりにも自分が惨めで 笑えてしまう 「…ふふッグス…ふっ」 もうどうでもいいや 泣くだけ泣いて疲れたのだろう その後はぐっすりと眠れた あの時私が涙した訳はね? ――アナタへの気持ちが    溢れ出してしまったから .
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