four

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送別会をおこなってから 二週間くらいたった頃 裕ちゃんに突然 「話がある」 と言われ椅子に座らされた 「…あんな俺 大阪に行くことになったんよ」 え? 大阪? 「来週にはもう向こうへ行く」 来週? 「上にいけるように 頑張ったから部長になれたんよ 大阪でなんやけどな」 部長になれたことは凄いけど 素直に喜べない 大阪にいったら 一緒にいられないし 会いに行くのも困難である 「…あとな栞 一つ言いたいことあんねん 太輔って奴まだお前は好きなんやろ?」 「…なん…で?」 何でしってるの 太輔の事 「俺ずっと嘘ついてた あの日来たのは俺じゃない」 裕ちゃんじゃない? 「藤ヶ谷太輔さんが来てた」 太輔が来てた? 「俺がきたのは電話した後から」 裕ちゃんは真剣な話の時は 大阪弁を使わない 今言っていることは 全て本当ってこと? どうして 「…どうして嘘ついてたの?」 「ずっと一緒にいたかったから 栞を自分の物に しときたかったから」 利用していたのは私 嘘をつかせていたのも私 全部、全部自分が悪かった 優しい裕ちゃんに甘えて 可哀想な人のふりをした 私が悪かった 「なあ栞、別れよか?」 「…ごめんね 裕ちゃんッごめん…ね」 「ええよ、気にすんなや またもとの関係に 戻ればいいんやから…」 泣く私を 抱き締めてくれた裕ちゃん 裕ちゃんありがとう .
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