第九章 ただ愛する君のために

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《ルーシア……》 「ん?あぁ、何でもないわよ。あんただって、その内嫌でも理解するから、その時に精一杯悩みなさい」 「ルーシア、早速だけど……」 ルーシアの憂いについて追及することなく、レインはルーシアにそう語りかけた。 由真としては、空が今どういった状況なのかの詳細を知りたかったのだが、どうやら今はその時ではないらしい。 「由真、これから私たちとレインはしばらく別行動をとるわ」 《えっ……じゃあ空は!?》 「彼を引き上げるために必要なのよ。今、屑桐空はレインの意志に溶け込んでしまっている。元々再転生っていうのがそういうシステムだから、まずはそこから解決しなきゃいけないの」 確かに、先ほどレインはそれに近いことを言っていた。ルーシアが言うことも、正しいのだろう。 《じゃあ、何か私に手伝える事は……》 「無いわね。むしろ、切り離すときに不純物が混ざれば、それだけでもう取り返しのつかないことになる。私たちはね、信じて待つしかないのよ」 それは、由真にとって苦痛だったが、同時に救いでもあった。 空とまた会えるのなら、この際何でも構わない。そう思えるほどには、由真の我も穏やかになっていた。
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