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「霧斗…その呼び方止めてって言ってるでしょうが!」
「えへへっ♪メグちゃんって呼び方、僕だけでしょう?僕だけメグちゃんの特別みたいでいいじゃないですか♪」
頭一つ違う高さの高校生の彼。私はやっと中学生になったところ…学校も違うのに、帰宅部のこいつはいつも中学校まで私を迎えに来るのだ。
「もぅ!従兄弟で幼なじみってだけでしょう!?部活終わるまで校門に居て…私結構恥ずかしいんだから。」
そんなの、嘘。ホントはずっと前からこいつ…霧斗が好きだ。だから、正直嬉しくてたまらないんだ。でも、私は素直になれなくて…
「えっ?僕、メグちゃんに恥を掻かせていたんですか?すみません、気付かなくて…」
そんな顔見たいわけじゃないのに、霧斗は暗い顔で俯いた。
「……じゃあ、明日はギリギリまで街でフラフラしてから学校行きます!」
「…はっ?」
急に明るい顔をして頭を上げるからなんだと思ったら、どうやら“迎えに来ない”と言う選択肢は彼には無いようだ。
「それならいいでしょう?」
目を輝かせて尋ねる霧斗に呆れたように、そして嬉しそうに私は溜め息を吐いた。
「し、仕方ないな…それならいいよ?」
「ありがとうございます、メグちゃん♪」
そう答えれば、霧斗が極上の笑みを見せてくれるのを私は知っている。
「ホント、単純ね…//」
憎まれ口を叩きながら、私は赤い顔と高鳴る鼓動を隠すのに必死だった…
でも、私は不安だ…霧斗は私をどう思っているんだろう…
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