65人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
「うわぁ…綺麗…!!」
俺の歩くずっと前を楽しそうに走って行く俺の自慢の彼女。
桜並木の間をスカートで走って行く…正直心配になる。
「あんまり先に行くなよぉ!!」
あまり見えなくなったあいつに声を掛ける。返事は返って来なかった。
ちょっと心配な俺は見えなくなった相手に向かって走る。道に花びらが落ちてピンクの絨毯みたいになってる。
どれだけ走ってもあいつの姿が見えない。「姫梨ーーー!!」
名を呼びながら走っていれば少し高い位置からのほほんとした声が聞こえた。
「がっくーんこっこだよぉ~」
声を頼りに上を向けば大きな桜の木の上にあいつは座っていた。
「おーい!」
へらへらと笑いながら手を振るあいつ
「危ねぇから降りて来いよ!」
「えー…しょうがないなぁ…」
俺の言葉にあいつは渋々座っていた枝に立ち上がる
「だ!だから危ねぇって!」
そう言った瞬間…
あいつは飛び降りてきた。
桜吹雪の中俺に向かって落ちてくるあいつ
俺は焦ってもがくように手を伸ばす
君が桜に溶けてしまいだったから
終わり
最初のコメントを投稿しよう!