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「あ、後頭部にでかいたんこぶ。」
「え?俺アキラみたいだな。」
「おいおいおいおい!!俺はこの学園に来てまだたった二日だぞ!!事件はおろか、怪我は一つもしてません!!」
心に傷は負ったけど。
なんせこの学園の人間は俺の事を化け物扱いするは、妖怪扱いするは、果てには人間であることまで否定された。本人は違うと言っていたけれど、本心はそれだろう。
目がしつこく語っていた。
ぴぴぴぴぴん、ぽーん。ぴぴぴんぴぴぴぴんぽ、ぴぴぴぴんぽーん。
「おっはよ~。よっしーでぇっす!!王子様~!!起きてますか~!?朝ごはん、一緒がいいな、何ちゃって。きゃー。僕かわいい!!」
「ヨッシー……痛いな。」
「ああ、痛い。」
むしろ、胸が痛い。
サツマイモのを一気に五、六本食べた時のように、口の中が痛くなるほどぱさぱさしている。
俺は仕方なく、部屋の扉を開けた。
「おっはよ~ん。…………って、なにそれ~!!アキラ君、趣味悪くない~!?」
「お、おはよう。アキラ君、ヨッシーが言うほど酷くないよ。だから心配しないで。」
千夏ちゃんの優しさが、いっそ俺の虚しさを増大させます。
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