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最初から嫌な予感はしていた。
「刀(ハカシ)…。お前、顔面でボールを受けるこたぁねぇだろ。」
そういってぼやいてきたのは、体育教師の田村 綾士(タムラ リョウジ)。
視界には雪の呆れたような顔やら、千夏ちゃんの心配そうな顔やら、見たくないけど…ヨッシーの濃い顔やら……色んな顔で埋め尽くされていた。
こうなった原因は少し前にさかのぼる。
「今日はバレーやるぞ!!」
ちょっとだけ俺達三人は遅れて体育館についた。
体育館もやっぱり結構な内装をしていて、俺はものすごく驚いた。
さすがに、意味の無いシャンデリアなんかは吊るしてないけど、床はワックスがしっかりかかっているのか、ライトに反射してピカピカしてる。
そして何より俺が驚いたのは、バスケのコートの線が五つも書かれていること。
…って言っても、アウト部分が狭いわけじゃないから、それには呆れてしまった。
中々大胆な事をしたものだ、と正直思った。
けれど、この建造物を築造した祖父様は、今は一体何を考えているのか分からない…というのも、父が失踪してから祖父様が実質、刀(ハカシ)財閥の総帥、兼社長をしていたりする。
だからこそ、周りからは尊敬されているし、俺も実際…尊敬していたりした。
けれど、この学園に来て、俺の馬鹿遺伝子の元がわかったような気がした。
父も相当な馬鹿だった。
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