40人が本棚に入れています
本棚に追加
/51ページ
少女(ユイリス)
「…ぁーあ…ぅ…」
ユイリス(M)
「13年前のある雨の日のこと、ごみ捨場に座り込む裸の少女が1人」
カール
「誰かいるのか?」
少女(ユイリス)
「う…?ぁ…」
カール
「こんなところで、それにそんな格好で一体どうしたんだい?お母さんは?」
ユイリス(M)
「中年の男は少女に問う、だが少女には伝わらない」
カール
「もしかして言葉がわからないのか…?」
少女(ユイリス)
「うぅ…」
ユイリス(M)
「男は静かにしゃがみ、優しく少女の肩に触れた。そして柔らかい笑みを浮かべてこう言った」
カール
「怖がらなくていいんだよ、大丈夫。…わたしのところにおいで。歓迎するよ」
ユイリス(M)
「少女には言葉の意味はわからなかったものの、男の笑みを見て安心したのか、ゆっくり差し伸べられた手を握った。」
カール
「そうだ、君に名前をあげよう。…うーん、ユイリスなんてどうだい?」
少女(ユイリス)
「う?」
カール
「ユイリス、うん。今から君の名前はユイリスだ。と言っても今の君にはわからないだろうけどね。」
ユイリス(M)
「これから教えてあげよう。そう言った男の満面の笑顔がまぶたに焼き付いて離れない。その笑顔は、生涯わたしの支えとなった。」
最初のコメントを投稿しよう!