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「迅徠、流青、岩珠、今日は楽しもうじゃねぇか」
ちょうど四人が祭壇で顔を合わせた時、火の当主である烈次(れっし)が色黒の肌に映える白い歯を見せて笑った。
結構な色男であった。
「そうだねぇ~この顔合わせで神刀祭をやるのは初めてって事だし、まぁ気張らずに行きましょうや」
一呼吸置いてから、水の当主流青(りゅうせい)は口元を少し緩めてそう言った。
気張らずに、とは半年程前に土の当主になった岩珠(がんじゅ)に向けての言葉だった。
「はい。しかし、やはり緊張しますよ。こんな大役を果たすのが自分でいいのかどうか……」
大きな体を小さくしていた岩珠の背中をバシッと叩いたのは風の当主迅徠(じんらい)だ。
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