序章~花は枯れ風は吹く~

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「しっかりしろよ、岩珠!お前は村の皆が認めた男だ。お前の他に土の当主は務まらない。[岩珠]って名に誇りを持てよ」 まだ若い岩珠に迅徠は温かい笑顔を見せた。 岩珠はこの笑顔が好きだった。 子供の頃からこの男に憧れていた。 歳は岩珠とそれ程変わらないが、最年少で当主になった迅徠には言い表せない大きさがある。 「は、はい!」 岩珠は今だに迅徠と話をする時、緊張してうまく話せなかった。 「よっしゃ、じゃあ手順の確認すっぞ!」 それぞれの話の頃合いを見て、烈次は本題に入った。 神刀祭初夜の終わりに、四人の当主による演舞が披露される。 これは昔からの伝統。 村人達が楽しみにしている祭りの醍醐味の一つである。 この時使われるのが四本の神刀だ。 烈次達が演舞の確認を終えた頃には、祭壇を囲む広場に村のほとんどの者が集まっていた。
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