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村長の家のドアを開けると、村長と先程の女性、そして村民の中でも年をとっている人達が集まっていた。
「どうぞ、おすわりくだされ」
ジクスは言われたように、座布団に腰を下ろした。
「さて、ジクスさん
単刀直入に言わせてもらいますぞ」
「えぇ」
ジクスは真剣な表情の村長を見据える。
「我等の村に住まんか?」
「ほぅ、それは何故?」
特に驚く事もなく聞き返す。
「初めて貴方に会った時に言ったように、この村に旅人が訪れるというのは極めて珍しくてのぅ
この村には子供が十人しかおらん
そこで、旅のお方が訪れた時には一緒にすまないかとお誘いしておるのじゃ」
村長の長い話を聞き終えると、ジクスはなるほど…と腕を組んだ。
「ところで村長さん
これはお誘いですよね?」
「えぇ、もちろんじゃ
いやなら断ってくれても構わん」
「ふむ、ならこの家を取り囲んでいる若者達はどういう事ですか?」
村長や村民の表情に焦りの色が浮かぶ。
「まぁ、いいでしょう
そんなこと最初からわかってましたし」
あくまで冷静なジクス。
普段のイメージから取れる、乱雑な性格の欠片も見えない。
そして…
「いいですよ、この村に住むことにしましょう」
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