False village...1

10/15
前へ
/17ページ
次へ
これに驚いたのは、今までの話を寝ぼけ眼で聞いていたメギアである。 なんで?と言ってしまいそうになるのを、ジクスが止める。 「そうですか それはありがたいのぅ」 村長が手を叩くと、数人の若者達が部屋に入って来た。その中には先日、この村の事について教えてくれた男性もいた。 「すまんのぅ 脅すつもりわなかったのじゃ」 ジクスは内心、何が脅すつもりわなかっただ…と思いながらも、わかっていますよと答えた。 「ところで、もうそろそろこの村の秘密を教えてもらえませんか?」 ジクスがそう言うと、村長はわかりましたと言って話し始めた。 「この村に旅人が150年以上来ていないのはご存知ですな その理由を教えましょう」 村長は首から下げていたネックレスを服の中から取り出した。 「このネックレスは[封魔身石]といってのぅ この森の近くにある洞窟でのみとる事ができる魔石なのじゃ」 村長は一息おくと、再び話し始める。 「これはな、装着した者の本質的な魔力を封じ、その分を放出するといった特製があるのじゃ」 そこでジクスは全てわかったように、なるほどと呟いた。 「つまり、貴方達は……いや、お前達は人間ではないんですね」 その言葉に周りがざわめく。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

77人が本棚に入れています
本棚に追加