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「どうしたの、ジクス?」
「驚きましたね……」
「ん?」
それは最初、ジクスとメギアの位置からは点の集まりのように見えた。
進む先、森の木々の間に黒い点がいくつもある。
近づくにつれ、その点が木で出来た家や家畜の集まりだとわかる。
「ほぅ、噂には聞いていましたが、森の中に町…いや、村があるとわ」
「へぇ、凄いねぇ」
ジクスは少しマギアークのスピードを落とす。
同じくマギアークに乗った30代の男性が近付いてきたのだ。
「ねぇ、どうするの?」
不安そうに聞くメギア。
「ん~、大丈夫でしょう
いざとなればこれがありますし」
そう言って、背中にある160㎝程度の長刀をカチャリとならす。
「まぁ、ジクスに勝てるやつなんていないもんね」
何故か自信ありげに言うメギアにどうかな?と返すジクス。
そうしているうちに男性が近付いてきた。
ジクスはマギアークを止めた。男性が近付いてくる。手には何も持っていない。
「こんにちは、旅人さんですか?」
優しそうな声の男性に肯定の意を伝えると、嬉しそうに顔を輝かせた。
「久しぶりの旅人さんです!今夜は宴です!」
男性はそう言うと、ついて来てくださいとマギアークのアクセルを踏んだ。
メギアは不思議そうにジクスの顔を見て、ジクスは首をすくめてみせた。
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