False village...1

3/15
前へ
/17ページ
次へ
「どうしたの、ジクス?」 「驚きましたね……」 「ん?」 それは最初、ジクスとメギアの位置からは点の集まりのように見えた。 進む先、森の木々の間に黒い点がいくつもある。 近づくにつれ、その点が木で出来た家や家畜の集まりだとわかる。 「ほぅ、噂には聞いていましたが、森の中に町…いや、村があるとわ」 「へぇ、凄いねぇ」 ジクスは少しマギアークのスピードを落とす。 同じくマギアークに乗った30代の男性が近付いてきたのだ。 「ねぇ、どうするの?」 不安そうに聞くメギア。 「ん~、大丈夫でしょう いざとなればこれがありますし」 そう言って、背中にある160㎝程度の長刀をカチャリとならす。 「まぁ、ジクスに勝てるやつなんていないもんね」 何故か自信ありげに言うメギアにどうかな?と返すジクス。 そうしているうちに男性が近付いてきた。 ジクスはマギアークを止めた。男性が近付いてくる。手には何も持っていない。 「こんにちは、旅人さんですか?」 優しそうな声の男性に肯定の意を伝えると、嬉しそうに顔を輝かせた。 「久しぶりの旅人さんです!今夜は宴です!」 男性はそう言うと、ついて来てくださいとマギアークのアクセルを踏んだ。 メギアは不思議そうにジクスの顔を見て、ジクスは首をすくめてみせた。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

77人が本棚に入れています
本棚に追加