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その村には、二十ほどの木造の家が建てられていた。
村の近くにいる牛と羊は数えきれないほどで、のんびりと草をはんでいた。
二十歳程の男性が、群れを率いていた。
ジクスとメギアを三十人ほどの集団が待ち受けていた。
老若男女、様々な年齢の人がいる。
村民の証なのか、全員紫の石がはめこまれたネックレスをしている。
ジクスは集団の前でマギアークのエンジンを切っておりてゴーグルを外す。
「こんにちは、みなさん
俺はジクス、この白蛇はメギアです」
やはりジクスでも初対面の相手には無礼な態度をとらないようだ。
集団の中で、一番年をとっていそうな男性が話しかけた。
「ジクスさん、メギアさん。
ようこそ。わしはこの村の村長じゃ。
このような深い森ゆえ旅のお方と会う事は滅多にないことでな。
ぜひ、のんびりと疲れを癒していってほしい。
夜には宴を設けますのでな、楽しんでくだされ」
ジクスが礼を言った後、優しそうな中年の女性に、一軒の家に案内された。
途中、いくつかの家から、優しそうな笑顔の人達がのぞいているのが見えた。
家の内部は、数人が眠れそうなほど広い。
いくつかの木の柱が立ち、均等に組まれた骨木が屋根を支えている。
足元には魔物の毛でつくられたマットがひかれている。
マギアークは家の外にとめてある。
「この家は空き家で、かなり昔から使われていないから遠慮なく。」
そういって、優しそうな女性は部屋をでていった。
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