再会

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 それからアイは、その過去を大切な宝物の様に話した。  その、友人の兄の友人と仲良くななるのに、さして時間は必要なかった。そして、友人宅で度々行われる家族でのバーベキューなどに、よくアイは呼ばれたのである。  その際、王子と言われる彼も参加していた。  恋心を抱いたのは、その頃である。 「告っちゃえば良かったのに」  それに、無理だって!と、声を上げた。 「相手は中学生だよ!」  自分はまだ、ランドセルを背負っているのに、出来る筈が無い。そう言うアイに友人は、まぁね、と答えた。 「んで、どこで逢ったわけよ。再会はぁ」  こちらも酔いが回ってきだしたらしく、顔が赤い。 「いつもの場所にいたらさ、声を掛けてきてくれたんだ」 「あぁ、堤防の土手?相手、アイって判ってたの?」  らしいよ、とアイは満面の笑みを浮かべて言った。  それからはアルコールの勢いもあり、二人はきゃっきゃとしながら、あれやこれやと話しの路線を蛇行しながら、話に花を咲かせていた。
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