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「ったく、最近は物騒だよなぁ~。
この街の行方不明者も大分増えてるみたいだしよ~」
「うん……。うちの学校でも何人か出ちゃったしね。
喫茶店のおじさんもいなくなっちゃうし……。
2週間前には龍崎君まで……」
瑠衣は表情が悲しみに彩られる。
竜司達の知り合いで消えたのは5人。
同じ学校に通っていた
1年生 赤尾 勝平(あかお しょうへい)♂
3年生 黒木 瑞美(くろき みずみ)♀
元竜司の担任
岸川 陰行(きしかわ かげゆき)♂
竜司の親戚で喫茶店を経営していた
蒼永 開路(あおなが かいじ)♂
竜司の元クラスメート
龍崎 稜(りゅうざき りょう)♂
「俺らの知り合いや同じ学校の奴らまで消えるなんて夢にも思わなかったよ。
龍崎はまあまあ仲良かったのにさ」
龍崎とは竜司が1年生の頃のクラスメートで仲がそれなりに良かった。
休日に遊ぶほどの仲ではないが、クラスでよく喋っていたのだ。
瑠衣も2年になってからのクラスメートだったし、竜司繋がりでそれなりに話したりしていた。
「もう他人事じゃなくなっちまったな」
竜司がそう呟くと瑠衣は悲しげに小さく頷く。
「お~い、竜司に瑠衣ちゃ~ん」
その声で2人が振り向くと中学からの同級生である砲関 寛之(ほうぜき ひろゆき)が手を振っていた。
背は竜司よりちょっと低いくらい、黒縁のメガネをかけていて顔は普通よりは少し良いくらいなので、それをチャラく飾り立てているイメージがある。
メッシュのように所々が茶色い固そうな髪をしている。
「お~、寛之。今日もお互い行方不明にならなくて良かったな」
冗談っぽく竜司が言うと寛之も軽く笑う。
「ったく、本当だよ。
行方不明になんかなっちまったら、漫画もアニメ見れねえし、ゲームも出来なくなっちまう。
マジで有り得ねぇよ」
寛之は日本の娯楽が大好きなのだ。
「ったく、心配すんのはそこかよ」
竜司は鼻で小馬鹿にしたように笑う。
そういう竜司もゲームは元からそこそこやるし、一般的な漫画は結構読む。
「ん? 何だあの子? いつの間に……」
そんなたわいない話をしていると3人の行く手に白いワンピースを着た小さな女の子がいつの間にか立っていた。
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