SCENE.1

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そう。依頼が成功したら報酬が手に入る。依頼の程度にもよるが、基本は3万~7万ほど。ただしこれらの報酬はそのほとんどが依頼を成功させるための経費として消えてしまいう。  「大丈夫です東雲さんは私の依頼を達成してくれますから。それに私自身、役に立ちたかったんです」  気持ちだけで十分ですよ、と言うと東雲さんは  「私が作ってきたものは食べられないってことですか。そうですよね。私みたいな変な女が作ってきたものなんて食べれませんよね」  へんに自虐し始めた小遊鳥さんは持ってきたタッパーをゴミ箱に捨てようと立ち上がった。さっきからどうも小遊鳥さんの話術にかきまわされているように感じる。それはともかくせっかく小遊鳥さんが作ってきてくれたものだ、みすみす捨てさせるわけにはいかない。それに私自身女性の手料理というものを食べてみたい。  「小遊鳥さん」  「なんですか…?」  目に見えて落ち込んでいたが、さして気にせずる呼び掛けてみる。すると小遊鳥さんは微妙に虚ろになった瞳で此方を見かえしてきた。小遊鳥さんの早とちりがあるとはいえ、これでは私が全て悪いように感じてしまう。  「実は3日前の夜から何も食べていないので是非とも小遊鳥さんのご飯が食べたいんです。だからそのタッパーに入っているのを食べさせてもらえませんか?」  「でも東雲さんは本当は食べたくないんじゃないないですか?」  「本当は食べたかったんですけど恥ずかしくて…」  だから私はある程度の嘘を交えつつ、小遊鳥さんに敬意を評して精一杯頼み込むことにする
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