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「見つけた!」
街を歩いていた少年は、由奈の家の方向に駆出して行く。
少年が辿り着いた時、由奈は両親の亡骸の前でへたりこんでいた。
「…遅かった。「トールギス」の奴等の仕業だな…」
少年は呟くと、由奈の肩に手を置いた。
由奈は、ゆっくりと振り返る。
目に入って来たのは、優しい光を宿した群青色の瞳の少年だった。
「だ…れ?」
「アルフ。君を守ると約束した者」
由奈は、アルフと名乗る少年と出会った。
アルフは、由奈に手を差し出した。
由奈は、その手をとって立ち上がる。だが、すぐにふらつく。
アルフは、由奈を支える。
「大丈夫か?…少しショックが大きかったな…」
「ごめんなさい…。まだ、整理がつかなくて…」
「無理もない。とにかく、詳しい話をしよう。俺は、事情を全て知っている」
アルフは、由奈と共に家に入った。
由奈をソファーに座らせて、落ち着くまで待つ。
しばらくすると、由奈は落ち着いたのか、アルフに向き直る。
「話して。どうして、お父さんとお母さんが殺されたのか」
アルフは、淡々と語りだす。
「狙われたのは、両親じゃない。君だ」
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