狂い出す日常

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「わた…し?」 アルフは頷く。 「恐らく、君に言う事を聞かせる為に、君の両親を殺したんだろう。連中は、君の力を恐れている」 「私の力…?」 アルフは、由奈をしっかりと見て答えた。 「そう…。君は、新たなる天使だ。天使と悪魔の共存を成功させることが出来る、唯一の存在」 由奈は、余りの事にしばらく呆然としていた。 そして、慌てて言った。 「ちょっと待ってよ。言ってる事の意味が理解出来ないんだけど…」 アルフはキョトンとした。 「理解出来ない?今言った事は、全て真実だ」 「それが信じられないのよ。私が天使なわけないし…」 「だが、君に力があるのは事実。さっきだって、「トールギス」の奴等を退けた」 「「トールギス」?」 「黒服の男達。奴等は「トールギス」という組織の一員。「トールギス」とは、悪魔で構成された暗殺組織」 アルフは淡々と語る。 由奈は、ようやく自分の置かれている立場に気付いた。 自分は、天使の力を持っていること。天使の力を持っているから、命を狙われていること。 由奈は聞いた。 「私は、死ぬしかないの?」 アルフは、首を横に振る。 「君を死なせないために、俺が来た」
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