狂い出す日常

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由奈は、アルフを見つめた。 少年は、群青色の瞳で由奈を見つめていた。 「心配するな。君を死なせないための俺だ」 「でも…それじゃああなたが怪我を…」 「何か勘違いしてないか?」 アルフは、由奈をしっかりと見て言った。 「俺は、君のために来た。君を死なせないために来た。俺は、君を守るために来た。心配するな。俺は簡単には死なない」 「そうじゃなくて!私は、私のために誰かが傷つくことは嫌なの!」 アルフは、由奈を見て言った。 アルフは、もう一度言った。 「大丈夫だ。俺は簡単には死なない」 「…アルフさん…」 由奈は、始めてアルフの名前を呼んだ。 「呼び捨てでいい。君の名前は?」 「ゆ、由奈!私は、坂島由奈!」 「ユナか。いい名前だな」 「そんなこと言われたの初めて…」 由奈は、少し頬を赤らめた。 「とにかく、今は少しでもユナを安全な場所に移動させなきゃいけない。支度を」 「どこに行くの?」 「決まっていない。大丈夫。ユナは、俺が守る」 由奈とアルフの命掛けの旅が始まった。 この日に、運命の歯車は、狂いだした。
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