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「ここか…」
1人の少年が街を見下ろしている。
電柱のてっぺんから。
明らかにあり得ない事に、街の人達は見て見ぬふりだ。
少年は、電柱のてっぺんから、飛び降りた。危な気なく着地すると、何事もなかったように歩きだす。
「早く見つけないと…新たなる天使…」
その頃、坂島由奈は普通に日常を暮らしていた。
これからも、日常は続いていくと思っていた。
しかし、この日は違った。
「誰…?」
帰宅すると、家の前に数人の男がいる。全員、黒服の男だった。
「坂島由奈だな。我々と一緒に来てもらおう」
「でも、お父さんとお母さんが…」
「2人なら…始末した」
「…え…」
由奈の前に、首を切り落とされた人間の体が二つ投げ出された。
それは、紛れもなく、由奈の両親だった。
「お…父さん…お母…さん…」
由奈は、その場に膝を着いた。
そして、絶叫した。
「い…いやあああぁぁああああ!!!」
その瞬間、由奈の体から、目が眩むような光が迸る。
黒服の男達は、その光に当たると、溶けるように消えていった。
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