プロローグ:虹色の思い出

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「ここのおじさんもおばさんも、僕の事が嫌いなら、早く帰らせて欲しいなあ」ディアの微笑みがほんの一瞬、消えた。 そう、ここの人間はみな、彼の事を化け物と呼んでいる。常人には理解できない、規格外の力を持つ化け物。こんな幼い子供に対して隠す事なく。 「なーくんがあんまり凄いから、みんなびっくりしてるんですよ」 ディアがそう言うと、子供は首を振る。 「僕が変だからだよ。それくらいはわかるよ。きっとね、僕はいちゃいけないんだ」 こんな幼い子供が、自分が異質な存在だと悟っている。その事にディアは胸が苦しくなった。 同時に、自分の様な存在が、胸を痛められる事実。それは本当に凄い事なのだと、理解した。
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